はじめに
今回は「腰水」について自身の経験も交えながら説明したいと思います。
「腰水」とは、プランターを水を張った容器内に入れ、プランターの底から水分を補給する方法です。
栽培する植物の種類や栽培されている方によってもある程度、手法に差異は見受けられましたが、簡易的に図を示すと以下のようになります。

私はこれらのプランター入りの容器を窓際でレースカーテン越しに太陽光を適度に当てながら管理しています。
下は実際に私が容器を管理しているラックになります。

容器には以下の図のように薄く水を張っています。

腰水を行う理由
なぜこのような特殊な水やり方法である「腰水」を行うのかという主な理由は
簡潔に表現しますと、種や芽が流されないように水を供給するためです。
多肉植物は共通して種がとても小さいので上から水をかけると簡単に流されてしまいます。
ですから、そのような小さい種や目に対しても安定して水分を供給できる腰水という手法が利用されます。
実際に私が実践した方法で発芽したエケベリアの芽を下に写真で載せます。

5列中真ん中3列がエケベリアです。
種を巻いてから1ヶ月が経とうとしています。
現在でも無事に成長してくれています。
以下の章で腰水に必要な道具と重要なポイントを詳細に書いていこおうと思います。
必要な道具
腰水の際に、主に必要な道具は以下の3つです。
- プランター(容器に入るもの)
- 透明な容器
- 透明なふた(ラップ)
プランター
私が使用しているプランターは以下のものです。
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128穴のもので168円ほどで買えます。
大きさは以下のようになっています。

全体の大きさでは縦が28cm、横が54cmになっています。
また、1つのセルの大きさは以下のようになっています。

1つのセルは1辺3cmの正方形で、深さが4.5cmになります。
プラスチックでできていますので、以下のようにハサミやカッターで切って大きさを変えることができます。

容器
続きまして、水を張るための容器は以下のものを使用しています。
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容器は大きいと、一度に多くのプランターを入れることができますが、プランターを季節や種類ごとに容器で分類したい場合にスペースに余りができてしまう可能性があります。
また私はラップを使用してふたをしていますので、容器が大きすぎるとラップでふたができなくなってしまうので現在の容器の大きさに落ち着きました。
容器の大きさは以下のようになります。

幅:32.5cm、縦:23.5cm、高さ:14cmになります。
蓋
また、蓋に関してもこの容器に付属の蓋で間に合わせることができます。
蓋に関しては下の章の「腰水のポイント」にて詳しく記述させていただきます。
以上、ここまででプランター、容器、蓋について書かせていただきました。
また、蛇足になるかもしれませんが、プランターに関しては市販のものではなく、プラスチックの卵のなど似たような形状なものでも作成することができます。
過去にも記事↓↓↓として書かせていただいていますので、是非ご覧ください
土について
また、土の配合については以下の過去記事↓↓↓もご参照いただけたらと思います。
この記事は土の配合、土ごとの特徴に焦点を当てています。
ですが、実生に焦点を当てた土の作り方なども記事で書かせていただきたいと思っておりますので、記事が完成次第、ここにリンクを載せようと思いますので、お待ちいただけましたら幸いです。
腰水のポイント
腰水で実生を行うに置いて、重要なポイントを3つに絞って解説していきます。
- 土の湿り具合
- 湿度
- 通気性
「土の湿り具合」「湿度」
発芽には適度な湿度が必要です。
これは最初の2つのポイントである「土の湿り具合」と「湿度」に関係します。
今まで述べてきた通り、水を薄く張った容器内に底穴つきのプランターを入れます。
具体的な水の量ですが、水は多くても深さ1cm程度で良いです。
それでも土の表面が乾燥する場合は、その都度水を増やしていきます。
水の量が多すぎても土の表面が沼のように水分過多になりますので、土の様子を見ながら必要に応じて水分の量を調節します。
土の湿り具合は表面が黒っぽく土が常に湿っている状態がちょうど良いです。
水を張った容器に水を張り、プランターを入れた後は、土が乾かないように蓋をし、湿度を保つようにします。
蓋をするときに光を取り込めるように透明な蓋を使用します。
このとき、直射日光を当てないようにします。
直射日光を当て続けると、土が劣化したり温度が高くなりすぎますので、少し遮光する必要があります。
上で紹介させていただいた容器に付属している蓋は少し曇っており、適度に遮光してくれます。

ただし、すでに遮光できる手段があれば、容器の蓋には透明なものを使用できます。
私の場合は窓際にすでにレースカーテンがありましたので、容器の蓋には透明度の高いラップを使用しています。

通気性
最後に3つ目のポイント「通気性」についてです。
蓋をする事は湿度を保つ上で大切な事ですが、完全に密閉しては良くないのです。
植物も呼吸をするので、隙間を作り、空気の通り道を作る必要があります。
これに関しては、蓋をわずかにずらしておくだけで良いです。
また、しばらく時間が経過すると少しづつ容器に張った水が蒸発しますので、その際は、容器内に少しづつ水を補給してあげます。
管理するための場所
あとは管理するための場所を適切に選んで、種が発芽するのを気長に待つのみです。
上にも少し書いていましたが、管理する場所の1番の候補は
日当たりの良い窓際(レースカーテンがあればなお良し)
です。
植物には光を浴びることで自身で養分を生成するという能力が備わっています(光合成)。
ですから、日当たりは確保しなければいけません。
かと言って、芽が小さいうちは直射日光を避けなければいけませんので、レースカーテンなどの直射日光を避けられるアイテムがあれば良いです。
レースカーテンがなければ、少し曇った半透明の蓋を使用することで日光を遮光できます。
あとは、土の水分の様子を見つつ辛抱強く待ちます。
早いもので1週間ほどで目が出てきますので楽しみに待ちましょう。
最後に
これから季節が春に移り変わります。
多肉植物は春に生育期を迎えるものが多いので、何か新しいことを初めてみたい方はぜひ多肉植物の栽培を始めてみてはいかがでしょうか。
多肉植物の苗はホームセンターに行けば置いてあることがほとんどですので、お気に入りの1つから初めて見ることもできます。
私自身も多肉植物の栽培を始めてからまだまだ長くはないですが、日々成長していく様子を観察する事は癒しになっています。
これからも多肉植物の栽培に役立つ記事を発信していきたいと思います。
どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。